香港にお念仏の花ひらく

*香港にお念佛の花ひらく 前住職 島田 和麿

異国の地に、こんなに浄土真宗のみ教えがひろまっていくとは思いもかけぬことでした。
2009年(平成21年)3月8日香港の浄土真宗寺院「香港法雷念佛会」で、住職継承の式典が行われました。
西本願寺から園城総務、国際部から三好氏、参議院議員・山口県教蓮寺、藤谷光信住職、坊守さま、淨教寺から26名の門徒代表、中国・福州から劉 昆康大学教授、台北・台中の僧侶・門徒、そして高雄から野瀬瑞黙先生、瑞覚さんほか多数集まり、何 世堯(ほう せいぎょう)新住職の就任の祝賀の式典がはじまりました。
みんなで阿弥陀経・正信偈のお勤めのあと、各代表の方々の挨拶がありました。皆さん涙ながらに親鸞聖人のみ教えに遇い得たよろこびを語り、今後の精進を誓い合いました。
香港では、平素週3回の講習が行われているそうです。

12年前(平成9年)台湾・高雄出身の少女がひたすら道を求め来日し、龍谷大学大学院博士課程を終了後も信仰上苦しんでおりましたが、野瀬瑞黙先生の導きを受け、疑雲は散じ、以後なお勉学と同朋にそのよろこびを伝えていかれたことがはじまりでした。平成11年瑞覚さんは得度して淨教寺の衆徒となられました。それから当山と深い関係が続いています。
平成12年先に香港に寺院が誕生しました。戦後中国圏で初めてのことです。5年前からは台湾の高雄で本格的な寺院を建築中です。
近年、台北、中国福州に各々100名以上の熱心な真宗メンバーが生まれております。香港にも多くの信徒が生まれ、10年前に遇った人々と再会の握手を交わしました。みんな熱心で純朴で謙虚にみ教えを聞いています。
一日すばらしい法筵でございました。

今はただ、稲垣瑞劔先生・野瀬瑞黙先生のご指導と瑞覚法尼の熱烈な随順師教の姿勢に心からの讃辞を捧げたいと思います。

合掌

*仏教伝道功労賞 ご報告 住職 島田 春樹

稲垣瑞劔先生のご令息で龍谷大学名誉教授の稲垣久雄(瑞雄)先生がこの度、仏教伝道功労賞を受賞されました。
この賞は、財団法人仏教伝道協会の事業の一環として、仏教伝道文化に貢献のあった方に贈られる賞です。

稲垣先生は、昭和44年より12年間ロンドン大学にて仏教学講師を務め、昭和56年帰国し、龍谷大学教授に就任され、平成10年に退職し名誉教授になられました。その間、沼田客員教授として、世界の大学(カリフォルニア大学バークレー校・ハワイ大学マノア校・オランダ、ライデン大学)で仏教学を講義されました。また、龍谷大学に仏典翻訳部が創設されて以来、その中心メンバーとして翻訳出版の任に当たり、本願寺国際センターでの聖典翻訳、ポルトガル語訳の事業にも参加され、多くの出版に携われ、現在は翻訳委員会の主任をされておられます。主著に『日英仏教語辞典』・『和英禅語グロッサリー』等があり、『浄土三部経』等の翻訳をはじめ、現在は『総合仏教語辞典(英文)』の出版準備中です。このような長年の翻訳作業が高く評価されての今回の受賞になられました。

授賞式は3月12日(木)午前11時より、東京、品川の仏教伝道協会の仏教伝道センタービルで執り行われました。
授賞式後のスピーチで、稲垣先生は次の3つのことに感謝したいとお話をはじめられました。
第一に、この賞を創設していただいた仏教伝道協会の創設者、沼田恵範氏に感謝申し上げます。沼田恵範氏の活動によって、世界の大学に沼田仏教講座が開設され、そこで私の英語力を生かした仏教講座を持たせていただくことが出来たのもそのお陰であります。
第二に、両親である父・母に感謝申し上げます。父は稲垣瑞劔と申しまして、在家に生まれましたが幼少より仏教を研讃し、英語による世界への仏教伝道を戦後いち早く『歎異抄』の翻訳で完成され、白人の多くの仏教徒を育てられました。その父の後ろ姿が現在の私の仕事に大きく影響いたしております。また、母は優しく仏教の尊さを身をもって教えてくれました。
第三に、50年間私の仕事を支えてくれた家内に感謝したいと思います。
このように、感謝を述べられた、心温まる受賞スピーチでした。

稲垣久雄先生による「真宗講座」が『大信海』をテキストに3月28日より毎月1回開催されております。ぜひご参加いただきますようご案内申し上げます。

2009年04月01日 法話
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