【地球の歴史はおよそ46億年という。それを一年にたとえる。すなわち地球が誕生した46億年前を1月1日午前零時、現在を12月31日夜中の12時とするのだ。すると「1日」はおよそ126万年、「1秒」はおよそ150年となる。
この尺度で考えてみると、生命誕生は1月後半から2月半ばの出来事になる。一方、人間(ホモ・サピエンス)の出現は、じつに12月31日午後11時37分(20万年前)である。私たちは生命世界にやってきたばかりの新参者なのだ。どうやら私たちは、気の遠くなるような時間の積み重ねがあって初めて地球史上に登場できた存在らしい。(中略)
私たち一人ひとりは言ってみれば「地球カレンダーの1秒」(150年)弱を生きる存在である。地球の歴史の長さに比すれば、まさに一瞬でしかないが、その「1秒」が決してはかないものだとも思わない。私たちはその時間をさまざまに悩み、迷いながら、必死に生きている。ときには、永遠とも思える感情に揺さぶられることもある。しかし、その一方で、私たちの喜怒哀楽が詰まった「一秒」が、それまでの想像を絶するほどの長い時間によって支えられていると知ることは決して無駄ではないと思う。】
(「地球大進化」第1巻 NHK出版より)
親鸞聖人の生まれられた1173年(約800年前)は、この地球カレンダーでいくと12月31日の午後11時59分54秒です。そして文明開化、科学技術を得たのがわずか1秒前の12月31日午後11時59分59秒ということになります。このわずか1秒間の中で人類は、大きな発展を遂げ快適な空間を増やしてきました。その反面、民族の対立、戦争、公害、大気汚染等の環境破壊、人類破滅・地球破滅という重大な事態を招きかねないところまで地球を追いやっています。
特に今年は、春から台風が10回も日本に上陸し、各地に大変な被害をもたらしました。また、浅間山の噴火、新潟県中越地震など地球の機能が混乱し、悲鳴を上げているようです。また、児童虐待・親殺し・保険金殺人・集団自殺など人身の乱れも激しさを増し、ますます混沌とした時代となってきています。
11月20日の「お内仏報恩講」で山本摂叡先生が、ご法話で「読誦(どくじゅ)」ということを強調しておられました。「読」とは目で読むこと。「誦」とは声に出して読むことです。浄土真宗では、朝晩のお勤めを必ずする。朝は「お正信偈六首引き」と「ご文章」(80通の繰り読み)の拝読。夜は「仏説阿弥陀経」と「お領解文(りょうげもん)」を声に出してお勤めする。このことが最近ことにおろそかになってきているのではないでしょうか?と指摘しておられました。大事なことです。出来ることから規則正しい生活を心がけましょう。そして仏語に触れ、仏語に順じた生活をすることが、自らを見つめ、周りを見つめなおす眼が養われていくのです。さあ今日からはじめましょう。読誦の実践を!