あそかビハーラ病院

 

緩和ケア施設(ビハーラ病棟・仏教ホスピス)あそかビハーラ病院

ビハーラとは?

「ビハーラ」という言葉はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、この言葉は古代インドのサンスクリット語のViharaをそのまま音訳したものです。「仏教ホスピス」という表現に替わる「仏教を背景としたターミナルケア施設の呼称」として、昭和60年(1985)に田宮 仁氏(現淑徳大学大学院総合福祉研究科教授)が提唱しました。

そのビハーラという言葉は、「精舎・僧院」「身心の安らぎ・くつろぎ」「休息の場所」を意味しています。
「精舎・僧院」というのは一般にいわれる「寺院」のことで、お寺は「身心の安らぎの場所」を意味していました。

つまり仏教の教えは、生・老・病・死の苦悩を課題とし、身心の安らぎをもたらすものでした。

聖徳太子が建立されたと伝えられる四天王寺には「四箇院」といって「敬田院」「施薬院」「療病院」「悲田院」が設立されており、仏教と医療や介護といった社会福祉は密接な関わりをもっていました。

しかし、時代の流れの中で仏教と医療や介護といった社会福祉はそれぞれ専門分野化し、各分野の関わりが薄れてまいりました。

特に仏教・僧侶の活動はお葬式が多くなり、仏教=死というイメージが強く、病院の中で僧侶の姿を見かけることはまずありえないというのが現在の状況です。

そのような中で、仏教がもともと課題としてきた、老・病・死の苦悩に応えるため、医療・介護といった社会福祉の各分野とも連携しようという活動が生まれます。それが「ビハーラ活動」と呼ばれるものです。

浄土真宗本願寺派では1987年からビハーラ活動が展開され、医療の分野だけでなく、介護の分野も含めた社会福祉領域などにも活動の範囲を広げてまいりました。

あそかビハーラ病院は、浄土真宗本願寺派(西本願寺)と関係の深い一般財団法人大日本仏教慈善会財団が設立母体となり、平成20年4月1日に京都府城陽市に有床診療所「あそか第2診療所(あそかビハーラクリニック)」として開設されました。

あそか第2診療所は、平成26年4月1日に28床の入院施設をもつ「あそかビハーラ病院」として新たに開所されました。
伝統仏教教団が単独で取り組み、仏教精神を理念とした独立型緩和ケア病棟(ビハーラ病棟)としては国内初の試みとなります。

現在では全国各地にビハーラ活動の団体が組織作られ、病院や高齢者施設などで様々な活動がなされています。

宗教が基盤にある活動と聞くと、勧誘されるのではないかという不安もあるかもしれませんが、このビハーラ活動は、生・老・病・死の苦悩に共感し、少しでもその苦悩を和らげていこうとするもので、信者を増やすことを目的としたものではありませんので宗教が違っていたり、宗教に関心がなくても安心して過ごしていただくことができます。

あそかビハーラ病院では、スピリチュアル・ケアの実践のためにビハーラ僧(仏教チャプレン)が常駐僧侶として活動しています。
また、浄土真宗本願寺派(西本願寺)が設立母体ですが、患者様・ご家族それぞれの宗教・宗派・信念を尊重しており、強制的な宗教勧誘をすることはありません。宗教に関わりなく緩和ケアを受けることができます。

関心のある方は、ぜひお問い合わせいただくか、淨教寺までご相談ください。

あそかビハーラ病院
住所:〒610-0116 京都府城陽市奈島下ノ畔3-3  電話0774-54-0120
(あそかビハーラ病院HP参照)

2017年06月01日 法話
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