浄土真宗の念珠の持ち方・お焼香の作法

基本的なことで、門信徒のみなさまも当然ご存知のこととして普段あまり申し上げて来ませんでしたが、念珠の持ち方やお焼香の仕方がまちまちですから、今回は浄土真宗本願寺派(西本願寺)の正しい①念珠の持ち方②お焼香の作法をお伝えしたいと思います。ぜひご家族みなさまで確認してください。
合掌された時の念珠の掛け方が両方の手を念珠の中に通さずに左手だけ通して、右手はそれに添えるだけの合掌が目立ちます。しかし写真のように両方の手を通していただくのが正式ですのでご注意ください。

念珠の持ち方と合掌礼拝の作法のまとめ

1、念珠を持つ時は、常に房を下にたらし、左手で持つようにします。
2、合掌の時は、両手を念珠にかけ、親指で軽く上からおさえ、指の間もぴったり閉じます。
3、合掌は胸の前で両手を合わせ、伸ばした指は斜め約45度位上にくるように構えます。
4、そしてお念仏申します。最近は声に出してお念仏申す方が少なくなってきたようです。合掌する時は必ず声に出してお念仏申しましょう。
5、礼拝は、念珠をかけて合掌した姿勢で上体を45度前に傾けて、二呼吸ほどおいてもとの姿勢にもどります。合掌をといて、念珠を左手に持ちます。

*念珠の房は、習慣的に男性がひも房。女性がきり房を用いることが多いようですが特に決まりはないようです。
*念珠は大切な法具ですから、畳や床に直接置いたり、投げたり、トイレに持って入らないように注意しましょう。
*もともとはお念仏の回数を数える法具であったため数珠とも呼ばれますが、浄土真宗ではお念仏の回数は数えません。多くお念仏を称えたものだけが救われるという教えではなく、すべてのものを救いたいという阿弥陀様の願いによってお浄土にお参りさせていただけるからです。

 

お焼香について

お焼香の前にリンを鳴らしたり、合掌したり、また回数も3回、2回、1回とまちまちです。正しい作法を身につけましょう。何年もお使いになってなかったお香で、香りもよくなく、目が痛くなったり、咳き込んだりすることもあります。気を付けて確認いたしましょう。

お焼香の作法

①ご本尊の2、3歩手前で軽く頭を下げる。(お焼香盆が回ってきた時はその場で頭を下げる)
②焼香卓に進み寄って、右手で香盒(こうごう)(香を入れる器)のふたを取って香盒の右側のふちに掛けます。お香を右手で一回つまみ、そのまま香炭に香をくべてよい香りをお供えします。この場合お香は額に押し頂きません。またお香をつまむ前に合掌礼拝をする必要はありません。
③香盒のふたをして、合掌し「南無阿弥陀仏」と声に出してお念仏申し、お念仏申しつつ礼拝いたします。
④礼拝が終われば、2、3歩後退して軽く頭を下げて自席にもどります。(回し焼香の場合は、礼拝後、次の方に焼香盆を渡します。)

*お焼香は、よい香りを仏さまにお供えするという意味と、よい香りで我が身をつつんで仏さまに礼拝するという意味、また行き渡るお香の香りから仏さまの分け隔てなく注いでくださる慈悲のおこころにふれさせていただくという意味があるようです。
*その意味から、なるべくよい香りのするお香を選んでお使いになることが望ましいでしょう。
*お香の種類はたくさんありますが、実際に香りを試して購入されるのがよいと思います。伽羅(きゃら)、沈香(じんこう)、白檀(びゃくだん)、五種香、七種香、十種香などあります。
*普段はお線香を使いますのでお線香は立てずに、香炉に入る長さに折って横に置きます。本数に決まりはありません。

(イラストは、「仏事のイロハ」「HP:河久保同行の部屋」より)

2014年08月01日 法話
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