おしゃかさまのたとえ話

7月16日(火)から本堂修復工事の仮設足場の設置工事に着手いたしました。
7月末現在での進捗状況です。(写真をご覧下さい)

境内の空間が限られていますので、現在のところほぼ人力による設置工事です。大変な作業です。お墓、本堂の安全性を確保しながら、仮設足場の大屋根が載ってもビクともしないように基礎をしっかりと、綿密に力加減を調査しながらの慎重な作業です。
この作業を見ながら、おしゃかさまのたとえ話を思い出しておりました。それは次のようなお話です。

金持ちではあるが愚かな人がいた。他人の家の、三階づくりの高層が高くそびえて美しいのを見てうらやましく思い、自分も金持ちなのだから、高層の家を造ろうと思った。
大工を呼んで建築を言いつけた。大工は承知して、まず基礎を作り、二階を組み、それから三階に進もうとした。主人はこれを見て、もどかしそうに叫んだ。
「わたしの求めるのは土台ではない、一階でもない、二階でもない、三階の高楼(たかどの)だけだ。早くそれを作れ。」と。
愚かな者は、努め励むことを知らないで、ただ良い結果だけを求める。しかし、土台のない三階はあり得ないように、努め励むことなくして、良い結果を得られるはずがない。

当たり前のことであるが、毎日の繰り返しが、毎日の積み重ねが大きな結果を導いてくれる。コツコツとたゆみなく、出来ることから始め、日々精進させていただきましょう。
夏休みに入り、小学6年生の長男に、長い休みに「正信偈」の写経を続けてみようと提案した。毎日4句づつ書いていくと120句あるので30日で完成できることになる。自分で選んだノートに、ペンでお経の本「正信偈」の漢文を書いて、ルビを振り、その下に意訳の「しんじんのうた」を書いていくというやり方である。
出来上がった時の喜びは、一生の宝物になるのではないだろうか。
みなさまも、何か始められてはいかがでしょうか。
この度の工事に際し、皆様の写経を本堂屋根裏に納経致します。こちらもぜひご参加下さい。

2013年08月01日 法話
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