ミョウガ(茗荷)のおいしい季節になってきました。
わたしのふるさと、新潟・明鏡寺には境内にミョウガ畑があり、毎年たくさんの新鮮なミョウガがとれます。きざんで薬味としたり、甘酢に漬けたり、天ぷらにしたりいろんな楽しみ方があります。小さい頃は、あまりおいしいとも思いませんでした。境内で友だちと野球をしてボールがよくミョウガ畑に入ってしまい、ミョウガの存在にも気付かず踏みつぶしてボールを探していて、よくしかられたものです。
そのミョウガの名の由来がおしゃかさまのお弟子からきていると言われています。こんなお話です。
おしゃかさまのお弟子であるチューラパンタカ(周利槃陀伽:しゅりはんどく)が、自分の名前を忘れてしまうため、おしゃかさまが首に名札をかけさせました。しかし名札をかけたことさえも忘れてしまい、とうとう死ぬまで名前を覚えることができなかったそうです。その後、死んだチューラパンタカの墓にいくと、見慣れない草が生えていました。そこで「彼は自分の名前を荷って苦労してきた」ということで、「名」を「荷う」ことから、この草に茗荷と名付けた。といわれています。
このお話をもとにミョウガを食べすぎるとチューラパンタカのように「物忘れがひどくなる」と言われていますが、学術的には根拠がないようです。